リスティング広告の見込み客が奪われる?会社名検索を利用した悪質アフィリエイトの実態

リスティング広告からの問い合わせは来ている。見込み客も獲得できている。それなのに、なぜか契約まで進まない。
このようなとき、多くの企業は広告の設定やランディングページ、営業担当者の対応を見直します。
もちろん、それらの確認も必要です。しかし、見込み客が広告を離れたあとに行う「会社名検索」に、成約を妨げる原因が隠れていることがあります。
会社名やサービス名を検索したユーザーが、第三者のアフィリエイト記事へ進み、その記事で紹介されている別の商品・サービスへ流れている可能性があるためです。
本記事では、リスティング広告で獲得した見込み客が、契約前の検索によって他商品へ流れる仕組みと、企業が確認したい検索導線のポイントを解説します。
本記事では、企業名やサービス名を入口として検索ユーザーを集め、その企業とは別の商品・サービスへ誘導する記事を「悪質なアフィリエイト記事」と表現します。
すべてのアフィリエイト記事や比較サイトに問題があるわけではありません。また、特定のサイトや運営者の違法性を断定するものでもありません。企業が広告費をかけて獲得した見込み客が、会社名検索を経由して別商品へ進む可能性を、検索導線上の問題として取り上げています。

広告の反応は悪くないのに、成約率が落ちる
今回の事例となった企業では、リスティング広告を使って商品・サービスを案内していました。
広告からの流入や問い合わせはあり、見込み客の獲得まではできていました。ところが、ある時期から売上が突然落ち、成約率も以前の半分近くまで低下したそうです。
広告で人を集められていないのであれば、広告キーワードや入札単価、広告文などに原因があると考えられます。
しかし今回は、商品・サービスに興味を持つ見込み客までは獲得できていました。問題は、その先にありました。
見込み客は契約前に会社の信用を検索する
ユーザーは、広告を見ただけで契約を決めるとは限りません。
特に、料金が高い商品、継続契約が必要なサービス、個人情報を提供するサービスなどでは、申し込み前に運営会社の信用を調べることがあります。
よく行われるのが、次のような検索です。
- 会社名
- 会社名+評判
- 会社名+口コミ
- サービス名+料金
- サービス名+デメリット
- サービス名+解約
この検索は、見込み客が不安を解消し、契約してもよい会社かを判断するために行うものです。
企業側から見ると、広告とは別の行動に見えるかもしれません。しかし、顧客にとっては、広告を見てから契約を判断するまでの一つの導線です。
会社名検索から悪質なアフィリエイト記事へ流れる仕組み
会社名やサービス名で検索した際、検索結果に第三者が作成した記事が表示されることがあります。
記事のタイトルに会社名やサービス名が入っていると、ユーザーは「この会社について詳しく書かれた記事だろう」と考えてページを開きます。
ところが、記事を読み進めると、対象企業の商品・サービスではなく、別の商品や競合サービスが「おすすめ」として紹介されている場合があります。
見込み客が流出する流れは、次のとおりです。
- 企業がリスティング広告を配信する
- 広告を見たユーザーが商品・サービスに興味を持つ
- 契約前に会社名やサービス名を検索する
- 検索候補や検索結果から第三者の記事へ進む
- 記事内で紹介されている別商品を検討する
- 広告主との契約に至らず、別の選択肢へ流れる
企業が広告費を負担して集めた見込み客が、契約直前の検索をきっかけに別商品へ進む構造です。
広告管理画面では、クリックや問い合わせまでしか確認できないことがあります。その後、ユーザーがどの言葉で検索し、どの記事を読み、何を購入したかまでは見えにくいため、企業側が気づきにくい問題です。
広告を出している企業名が記事の入口に使われていた
株式会社コアピボットが対象企業の検索導線を調査したところ、会社名検索の先に第三者運営の記事が表示されていました。
記事を確認すると、対象企業について説明するだけではなく、別の商品・サービスをすすめる構成になっていました。
さらにサイト内を調べると、リスティング広告を出稿している複数の企業名をテーマに記事を作り、それぞれの記事から別商品へ誘導している状況が確認されました。
広告によって認知が広がっている企業は、会社名やサービス名を検索される回数も増えます。その需要を利用し、企業名を記事の入口にしてアフィリエイト商品へ誘導していた可能性が考えられます。
原因を見つけるため、実際の顧客になって導線を確認
今回の調査で重視したのは、広告の管理画面だけを確認するのではなく、実際の顧客になったつもりで行動することでした。
具体的には、次の順番で確認しています。
- 広告を検索して表示内容を確認する
- 広告からランディングページへ進む
- 商品内容や料金、申し込み方法を確認する
- 契約直前に気になる点を整理する
- 会社名やサービス名を検索する
- 表示されるサジェストと検索結果を確認する
- 上位記事を読み、リンク先や紹介商品を確認する
このように顧客の行動を最初から追うことで、ランディングページの外側に見込み客が離脱する可能性のある場所を見つけやすくなります。
悪質なアフィリエイト記事が増えているか確認する方法
自社名を入口にした記事が増えていないか、次の方法で確認できます。
1.会社名とサービス名を検索する
正式な会社名だけでなく、略称、ブランド名、商品名などでも検索します。
2.サジェストを確認する
検索窓に会社名やサービス名を入力し、どのような検索候補が表示されるか確認します。
3.契約前に使われそうな組み合わせを検索する
「評判」「口コミ」「料金」「デメリット」など、見込み客が契約前に使いそうな言葉を組み合わせます。
4.第三者記事の内容を確認する
検索上位に公式サイト以外の記事がある場合は、記事の内容、紹介されている商品、リンク先を確認します。
5.同じサイトの別記事も確認する
自社だけでなく、ほかの企業名を使った記事が大量に掲載され、同じ商品へ誘導していないかを確認します。
記事の存在だけで判断せず、検索ユーザーがどのような流れで別商品へ進む可能性があるかを見ることが重要です。
サジェストと検索導線を見直す
対象企業では、会社名やサービス名に関連するサジェストを確認し、見込み客が検索した際に第三者の記事へ流れやすいキーワードを整理しました。
そのうえで、顧客が本当に知りたい情報と公式サイトの情報を結びつけ、比較・誘導目的の記事へ流れにくい検索導線を検討しました。
主な取り組みは次のとおりです。
- 会社名・サービス名のサジェスト調査
- 検索キーワードごとの上位ページ確認
- 第三者記事の内容と誘導先の確認
- 見込み客が必要とする公式情報の整理
- 公式サイト内の記事・FAQ・料金情報の充実
- 公式情報へ進みやすい検索キーワードの設計
- 施策後のサジェストと検索結果の継続確認
検索候補は検索サービス側の仕組みによって表示されるため、すべてのキーワードを自由に変更できるものではありません。表示状況を調査したうえで、削除・非表示の可能性や対応可否を確認する必要があります。
検索導線の見直し後、成約率が改善
サジェストと検索キーワードを見直し、見込み客が第三者の記事へ流れにくい導線を整えたところ、対象企業の成約率は改善し、以前よりも高い水準になったとの報告を受けています。
対象事業者の月商も、約1,200万円から約1,800万円へ増加しました。
ただし、売上や成約率の改善は、検索導線の見直しだけによるものと断定できません。広告運用、営業活動、商品・サービスの改善、価格、季節要因など、複数の要素が影響した結果です。
今回の取り組みは、広告で獲得した見込み客が契約直前に離脱する可能性を減らし、公式情報を確認したうえで判断しやすい環境を整える施策の一つです。
広告の成約率が落ちたときは、広告の外側も確認する
広告のクリック率や問い合わせ数が大きく変わっていないのに、成約率だけが落ちている場合、原因が広告の外側にあるかもしれません。
特に確認したいのは、次のような状況です。
- 会社名検索で気になるサジェストが表示される
- 自社名をタイトルに使った第三者記事が増えている
- 第三者記事で競合商品や別サービスが紹介されている
- 広告からの見込み客はいるのに契約まで進まない
- ある時期から急に成約率や売上が落ちた
広告からランディングページまでではなく、会社名検索、評判確認、比較検討を含めて一つの顧客導線として確認することが大切です。
株式会社コアピボットが検索導線を無料診断します
株式会社コアピボットでは、会社名・サービス名・商品名・店舗名などのサジェストと検索結果を調査し、見込み客がどのような情報へ進む可能性があるかを確認しています。
「自社名を使ったアフィリエイト記事が増えている」「広告から見込み客を獲得できても成約につながらない」「検索結果から別商品へ誘導されている」といった場合は、まずは現在の検索状況をご相談ください。
表示状況を確認したうえで、削除・非表示の可能性や対応可否、公式情報へ進みやすい検索導線の改善方法をご案内します。
まとめ
リスティング広告で見込み客を獲得できていても、契約前の会社名検索から悪質なアフィリエイト記事へ進み、別商品へ流れている可能性があります。
この問題は、広告管理画面の数字だけでは見つけにくいものです。実際の顧客になったつもりで、広告を見てから契約を決めるまでの検索行動を確認する必要があります。
自社名を使った第三者記事が増えている場合は、記事の内容だけでなく、サジェスト、検索結果、リンク先、紹介商品まで確認しましょう。
広告費を無駄にしないためにも、広告と検索導線を別々に考えず、見込み客が安心して公式情報へ進める環境を整えることが重要です。
